心理学「心の理論」及び「誤信念課題」について

心理学の「心の理論」及び「誤信念課題」について調べていたところ、あることに気づいた。

「相手の立場になって考える」ことについて、アメージュで取り上げていることは、心理学では語られていないのではないかと。

歴史と研究者の数から考えて、はたしてそのようなことがありうるのだろうか。

ここでそのちがいを細かく書いてみよう。

1.心の理論

「心の理論」では広い意味で捉えられている。

いわゆる「自分以外の個体に心があると認識するか」というものである。

例えば「物と生物を区別できるかどうか」といった具合である。

2.誤信念課題

これは「自分は知っていても、自分以外の個体が知らなかった場合、自分はその個体の行動を予測できるか」というものである。

例えば「自分はどの箱に果物が入っているか知っていても、ちがう箱に入っていると誤解している別の個体がまちがえるだろうと、自分は予測できるかどうか」といった具合である。

3.アメージュが考える「置き換え」

アメージュでは「相手の立場に立って考える」とは「自分を相手に置き換える」ということであるが、もう少し複雑な状況も含む。

例えば「今、食べたい料理と、割り引き制度がある料理のどちらを選ぶか」という場面で、「自分は割り引き制度がある料理を選ぶ」という価値観の人間が、別の人間の選択を予測するとき「割り引き制度がある料理を選ぶにちがいない」と、「自分がその人の立場になったら選ぶであろう選択を想像する」というものと、「その人が自分と同じ価値観とは限らないので、その人の価値観を理解した上で、その人が選択するであろう料理を予測する」というものの2種類を含むのである。

前者は「自分」→「相手」の方向での「置き換え」である。後者は「自分」←「相手」の方向での置き換えである。

この後者が高度なのである。

これは単純に「誤信念課題」と似ているが、「正誤」の問題ではなく、「自分とはちがう信念をシミュレートする」という高度な「心の理論」を要するものである。「心の理論」でいうところの「シミュレーション説」である。

これは「観察によって丸暗記し、その人の選択を予測する」といったレベルの「理論説」ではなく、「その人の信念を完全に理解することで、まだ観察されていない未知の選択も予測する」という「シミュレーション説」なのである。

このレベルの学説はあるのだろうか。

まさかないなんていうことはないだろう。

私の知見では、心理学的類型で4分類される性格のうち、半分が「理論説」、半分が「シミュレーション説」であると見ており、「理論説」型の研究者には「シミュレーション説」が理解できないであろうと推測している。

このことにどれだけの研究者が気づいているのだろう。

ご存じの方がいらっしゃれば、ご教示いただけたら幸いである。

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